2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母のメタノール誘導性遺伝子発現に関わる転写因子の取得と情報伝達経路の解明
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16780056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
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Keywords | メタノール資化性酵母 / アルコールオキシダーゼ / ジヒドロキシアセトンシンターゼ / 転写因子 / メタノール誘導性遺伝子発現 / ギ酸デヒドロゲナーゼ / Candida boidinii / プロモーター |
Research Abstract |
本研究はメタノール資化性酵母におけるメタノール誘導性遺伝子発現の分子機構を明らかにすることを目的としたものであり、本年度の研究成果は次の通りである。 1.メタノール誘導性遺伝子発現に関わる転写因子の取得と機能解析 Candida boidiniiを宿主としたgene-tagging変異法により前年度までに取得したTRM1遺伝子についてその遺伝子破壊株の表現型や遺伝子産物(Trm1p)の生化学的性質を解析した。Trm1pはZn_2Cys_6型のDNA結合モチーフを持ち、転写因子であることが強く示唆された。TRM1遺伝子破壊株は、メタノール培地では全く生育できなかったが、それ以外の炭素源では野生株と同様に生育した。RM1遺伝子破壊株では、アルコールオキシダーゼ(AOD)遺伝子やジヒドロキシアセトンシンターゼ(DAS)遺伝子をはじめ複数のメタノール誘導性プロモーターの転写活性が著しく低下していた。また、TRM1遺伝子の発現はメタノール培地において誘導されること、さらにTrm1pが核に局在していることを明らかにした。以上の結果から、Trm1pがメタノール誘導性遺伝子発現の主要な転写因子である可能性が示唆された。 2.メタノール誘導性遺伝子発現欠損株の取得 前年度までのスクリーニングは、主にAODとDAS遺伝子の完全長プロモーターにレポーター遺伝子を連結した株を宿主として行ってきた。本年度はDAS及びギ酸デヒドロゲナーゼ(FDH)遺伝子プロモーターのcis-elementを複数個タンデムに連結した人工プロモーターの下流にレポーターを導入した株を作製し、メタノール誘導条件での転写活性に変化が見られた変異株を多数取得した。得られた変異株の変異遺伝子を決定したところ、グルコース脱抑制に関わる遺伝子や機能未知遺伝子などが得られた。
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Research Products
(5 results)