2004 Fiscal Year Annual Research Report
胞子形成時におけるスピンドル極体構造変換の分子メカニズム
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16780061
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 太郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30291082)
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Keywords | SPB / 分裂酵母 / 胞子形成 / 配偶子形成 / 前胞子膜 |
Research Abstract |
分裂酵母の胞子形成において最も主要なプロセスは将来胞子の細胞膜となる前胞子膜の形成である。第二減数分裂前期にスピンドル極体(SPB)が構造上の変化(構造変換)を起こし、そこに膜小胞が集まることによって前胞子膜形成は開始する。このとき、SPB上のいかなるタンパク質が膜小胞のアセンブリーに必要なのかは不明である。SPBに局在する3つのタンパク質Spo2,Spo13,Spo15がこの構造変換に関わることが現在までに知られているが、この3つのタンパク質の相互依存性を調べた。 Spo15,Spo13,Spo2とGFPやHAエピトープタグとの融合タンパク質を作製し、蛍光顕微鏡下で可視化する系を構築した。これらの系を用いて観察したところ、Spo15欠損株ではSpo2,Spo13はいずれもSPBに局在できなかった。また、Spo2欠損株ではSpo15は局在できたが、Spo13は局在できなかった。Spo13欠損株ではSpo2,Spo15いずれもSPBに局在できた。したがって、Spo15-Spo2-Spo13の依存性のヒエラルキー順があることが明らかになった。Spo2,Spo13は胞子形成特異的に発現するが、栄養増殖時でこれらのタンパク質を強制発現すると、Spo2は単独発現でSPBに局在できたが、Spo13はSpo2と同時に発現させたときのみ、SPBに局在できた。免疫蛍光抗体法によりこれらSPBコンポーネントの局在を観察したところSpo13がSPBの最も細胞質側に存在していた。以上のことから、Spo13はSPBの最も細胞質側で前胞子膜との相互作用に直接関わる可能性が示唆される。現在、Spo13をbaitにしたtwo-hybrid法を行い、SPBと相互作用する前胞子膜局在タンパク質の取得を試みており、いくつかの候補クローンを取得した。
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