2005 Fiscal Year Annual Research Report
胞子形成時におけるスピンドル極体構造変換の分子メカニズム
Project/Area Number |
16780061
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 太郎 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (30291082)
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Keywords | スピンドル極体 / 減数分裂 / 分裂酵母 / 胞子形成 / 前胞子膜 / コイルドコイル |
Research Abstract |
分裂酵母の胞子形成において最も主要なプロセスは将来胞子の細胞膜となる前胞子膜の形成である。第二減数分裂前期にスピンドル極体(SPB)が構造上の変化(構造変換)を起こし、そこに膜小胞が集まることによって前胞子膜形成は開始する。このとき、SPB上のいかなるタンパク質が膜小胞のアセンブリーに必要なのかは不明である。昨年度はSPBに局在する3つのタンパク質Spo2,Spo13,Spo15の相互依存性を調べた。本年度はこれらのタンパク質の局在にカルモジュリンCam1が必要であることを明らかにした。 cam1-F116変異株は胞子形成特異的に欠損を示す変異株である。この変異株の前胞子膜を観察したところ、形成が全く起こらなかったことからCam1は前胞子膜形成開始に必須であることがわかった。また、cam1-116変異株ではSpo2,Spo13,Spo15いずれもSPBに局在できなかった。逆にspo2,spo13,spo15いずれの破壊株においてもCam1はSPBに局在できた。以上のことからCam1はSpo2,Spo13,Spo15という前胞子膜形成開始に関わるタンパク質をSPBに局在することにより、前胞子膜形成開始を制御している可能性が考えられた。
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