2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母発現系を利用した昆虫性フェロモン生産系の開発と環境保全型農業への応用
Project/Area Number |
16780077
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本 賢一 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 研究員 (90333335)
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Keywords | 性フェロモン / カイコガ / 酵母発現系 / 脂肪酸不飽和化酵素 / アシル基還元酵素 / EST |
Research Abstract |
1、ボンビコール産生酵母の作製 カイコガDesat1はそのままでは酵母細胞内において機能発現しなかったが、酵母CIP51のN末端領域を付加したDesat1(CYP51/Desat1)が酵母細胞内において微量のボンビコール前駆体脂肪酸を産生したことから、Desat1の小胞体保持に関わるモチーフが酵母細胞内において機能していないことが予想された。そこで、より多くのボンビコールを産生する形質転換酵母の作製を目的として、Desat1のN末端とC末端のいずれか、あるいはその両方を酵母Δ9不飽和化酵素(Ole1)の対応する部分と置換した計10種類のキメラタンパク質(Ole1/Desat1)を各々酵母細胞で発現させた。その結果、Ole1/Desat1シリーズの中でボンビコール前駆体脂肪酸を産生するものが確認されたが、最も産生量の多いものでもCYP51/Desat1とほぼ同レベルであった。 2、ガ類性フェロモン生合成酵素遺伝子の単離 イネ科植物の害虫アワヨトウガのpgFAR遺伝子の単離を試みたが、既知のpgFAR遺伝子は唯一カイコガのみであったため、最適な縮合プライマーをデザインすることが出来ず、遺伝子単離にまでは至らなかった。一方、カイコガのESTデータベースでは様々な組織に由来する約8,500の独立クローンを解析することができることから、それらのうちフェロモン産生に関わる遺伝子の探索を試みた。まず、他組織に比べフェロモン腺での出現頻度の高いESTクローンを中心に88クローンを抽出し、さらにRT-PCRにより組織特異的発現解析を行った結果、25クローンがフェロモン腺で優先的に発現していることが明らかになった。また、そのうちの15クローンについてORF全長の塩基配列を決定した結果、それらの中にpgFARやアルコール脱水素酵素と相同性を有するクローンが含まれていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)