2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規P-450のアリルカップリング能を利用した微生物による有用物質生産系の構築
Project/Area Number |
16780081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鮒 信学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70361574)
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Keywords | ポリケタイド / P-450 / 放線菌 / アリールカップリング / Streptomyces griseus / 電子伝達系 |
Research Abstract |
本研究課題は、放線菌Streptomyces griseusのアリールカップリングを触媒する新規酵素P-450melを用いて、Hypericinを安価大量生産することを目標としている。P-450は、電子伝達系としてferredoxinおよびferredoxin還元酵素を反応に必要とする。昨年度までの研究により、P-450melは、ほうれん草由来のferredoxin及びferredoxin還元酵素を電子伝達系として代用できることが判明している。今年度の研究により、P-450melは、1,3,6,8-tetrahydroxynaphthalene (THN)を1,4,6,7,9,12-hexahydroxyperylene-3,10-quinoneに変換する酵素であることが、in vitro反応により明らかとなった。このin vitro反応系を用いて、THNと構造が類似する種々のdihydroxynaphthalene (DHN)類に対し基質特異性を検討したが、P-450melはいずれのDHNとも反応しなかった。また、hypericinの前駆体であるemodin anthroneとの反応も検討したが、残念ながらP-450melはemodin anthroneを基質としなかった。これに対し、P-450melは驚くべきことに、flaviolinを基質とし、flaviolin dimerを与えることが判明した。現在、部位特異的変異導入及び反応条件の検討により、P-450melの基質特異性の改変に取り組んでいる。
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