2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノール類の組み合わせによる活性酸素除去能の増幅に関する研究
Project/Area Number |
16780091
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 浩蔵 信州大学, 農学部, 助教授 (20345763)
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Keywords | フェノール性物質 / SOD活性 / 混合物 |
Research Abstract |
米抽出物の活性酸素除去能が,含まれる抗酸化物質の総活性を遥かに上回るという推定結果に基づき,本年度は主に,我々の研究で開発した分析方法で同定された米に含まれる水溶性フェノール性物質9種類(フェルラ酸,シナピン酸,クロロゲン酸,プロトカテク酸,p-ヒドロキシ安息香酸,バニリン酸,カフェ酸,p-クマル酸,シリンガ酸)の,単独および2種類の組み合わせ溶液の活性酸素除去能(SOD活性)を測定した。単独での活性は,カフェ酸>クロロゲン酸>プロトカテク酸>シリンガ酸>バニリン酸>フェルラ酸>シナピン酸>p-ヒドロキシ安息香酸>p-クマル酸の順となり,バニリン酸はアスコルビン酸と同程度のSOD活性を有していた。単独でのSOD活性は高,中,低の3レベルに分類され,フェノール性物質のベンゼン環上に2つの水酸基を持つ化合物が高SOD活性を,1つの水酸基とそれ以外の1つ以上の酸素原子を持つ化合物が中程度のSOD活性を,1つの水酸基のみを持つ化合物が低SOD活性を持つ結果となった。2種類フェノール性物質の全組み合わせ36通りについてSOD活性を測定した結果,単独での活性を基にして見積もられるSOD活性±20%の組み合わせが21組と大半を占め,20%以上推定値を上回るものが7組,下回るものが8組であり,中程度SOD活性化合物と中程度または低SOD活性化合物の組み合わせで活性が向上する傾向が,高SOD活性化合物と中程度または低SOD活性の組み合わせで活性が低下する傾向が見られた。
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Research Products
(2 results)