Research Abstract |
本研究の目的は,デジタルカメラを用いた針葉樹林における地上部現存量の効率的な計測システムを掲示することにある。この目的を達成するために,平成16年度においては,下記のような実験を行った。 デジタル全天空写真を用いた地上部現存量の推定方法を開発するための基礎として,まず,専用の魚眼レンズ(Nikon fish-eye converter FC-E8)における画角と歪みの補正方法を開発した。この方法の開発によって,撮影した写真の画質と画像サイズと無関係に,画角と歪みの補正が可能になった。このことは,全天空写真を用いた地上部現存量の推定における精度の向上に大きく寄与するものと考える。 次いで,画質,画像サイズおよびカメラ機種の違いが,撮影した全天空写真に及ぼす影響を解析した。その結果,有効画素数の大きいCoolpix990では,画質と画像サイズによる影響は認められなかったが,有効画素数の小さいCoolpix900では画像サイズによる影響が認められることがわかった。したがって,Coolpix990については,保存に要するメモリの最も小さいBasic画質,VGAサイズの写真が,また,Coolpix900では,Basic画質,Normalサイズの写真がそれぞれ最適であろうと考えられた。さらに,これら2つのカメラ間の比較により,カメラ機種の違いによる影響は決して無視できないことが明らかになった。このことより,今後の研究においては,異なる研究間での結果の比較を可能にする上でも,研究に用いたデジタルカメラの機種を明記することの必要性が示唆された。
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