2004 Fiscal Year Annual Research Report
リグニンの主要構造をもつ機能性グリーンポリマーの合成とその性質
Project/Area Number |
16780122
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸本 崇生 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60312394)
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Keywords | グリーンポリマー / MALDI-TOF-MS / NMR / 重合 |
Research Abstract |
リグニンの主要構造をもつ機能性グリーンポリマーの合成に取り組んだ。市販のアセトフェノン誘導体を出発物質にして、モノマーの重縮合により、非天然型の直鎖状のリグニン様ポリマーを合成した。できるだけ高い重合度のポリマーを得るため、重合条件を詳細に検討した。まず、触媒の影響を検討した。その結果、クラウンエーテルやヨウ化カリウム(KI)、相間移動触媒であるテトラブチルアンモニウムヨージド(n-Bu_4NI)を添加することにより、いずれの場合も重合度があがることが判明し、特にヨウ化カリウムの効果が大きいことがわかった。次いで、反応温度とモノマーの濃度の影響を検討した。重合反応中に、ポリマーが析出してくるため、反応温度をあげたり、モノマー濃度を下げることにより、生成するポリマーの溶解性をあげ、重合度をあげることができると考えた。しかし、反応を室温で行い、反応時間を24時間とした場合に最も高い重合度のものが得られ、重量平均重合度で47.2に達した。これらの分子量および分子量分布はサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。さらに、MALDI-TOF-MS分析を行った。MALDI-TOP-MS分析から、ポリマーのナトリウムおよびカリウムのアダクトが観察され、非常に規則性の高いポリマーが生成していることがあらためてわかった。これらのリグニン様ポリマーをグリーンポリマーに変換するために、長鎖脂肪酸の導入を試みている。
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