2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780128
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
雉子谷 佳男 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10295199)
|
Keywords | スギ / 肥大成長 / 樹高成長 / 形状比 / 力学的性質 |
Research Abstract |
この研究の目的は、形状比(樹高/胸高直径)を成長特性の指標、立木の樹幹曲げヤング率を力学的性質の指標として、さまざまなスギ林分でこれらの指標値を測定し、スギ林木の成長特性と木材材質との関係について基礎資料を得ることである。さらに、得られた結果をもとに、形状比によって立木の樹幹曲げヤング率を予測することが可能であるか否かについて検討を加える。今年度は、オビスギ品種展示林と大学演習林のスギ林分を研究対象として、以下の研究成果を得た。 1.オビスギ品種展示林では、林分内の局所的な生育環境の違いによって、胸高直径、樹高および形状比が大きく変動する品種と、生育環境の影響を受けずに、ほとんど同じような成長を示す品種があった。 2.オビスギ品種展示林では、形状比が大きくなるにつれて、立木樹幹曲げヤング率が増大する品種が多かったものの、両者の間に密接な関係が認められない品種もあった。 3.オビスギ品種展示林を17品種(オビスギ15品種、対照2品種)が混在する1つの林分と見なした場合、形状比が大きくなるにつれて立木樹幹曲げヤング率が増大し、形状比90〜100付近でその増加傾向が小さくなった。 4.オビスギ品種展示林の林木を形状比が大、中、小の3グループに区分したところ、各グループの立木樹幹曲げヤング率の平均値は102×10^3kg/cm^2、92×10^3kg/cm^2、79×10^3kg/cm^2となり、形状比による力学的性質の区分が可能であった。 5.品種不明で、同一林齢である3つのスギ林分においても、形状比が大きくなるにつれて、立木樹幹曲げヤング率が増大することが認められた。
|