2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノムにおける魚類サイトカイン遺伝子群の発現解析と生理機能に関する研究
Project/Area Number |
16780145
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
吉浦 康壽 独立行政法人水産総合研究センター, 養殖研究所・病害防除部, 主任研究員 (90372052)
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Keywords | トラフグ / サイトカイン / 組換えタンパク質 / 昆虫細胞 / 定量PCR / IL-12 / IFN-γ |
Research Abstract |
1)感染・発病に伴う一連のサイトカイン遺伝子の体系的な発現動態解析 感染・発病に伴う一連のサイトカイン遺伝子群の発現動態を解明するため、ウイルス感染症のモデルとしてトラフグ口白症ウイルスの人為感染実験を行い、感染から発病までのリンパ器官におけるインターロイキン-12(IL-12)およびインターフェロン-γ(INF-γ)遺伝子の発現動態を解析した。その結果、人為感染後のリンパ器官においてIL-12およびINF-γのmRNA量の増加が認められた。また、この結果は、これまでのIL-12およびのINF-γの遺伝子発現がploy(I:C)刺激(ウイルス感染の模倣剤)でのみ誘導されという結果と一致し、本来のウイルス感染でもこれらのサイトカインの遺伝子発現が誘導されることが確認された。 2)組換え体を用いた、魚類の免疫応答におけるサイトカインの機能解析 魚類サイトカインの生理機能を解明するため、前年度に組換えフグIL-12の産生系を確立した。本年度は、IL-12に対する特異抗体を作成するため、トラフグIL-12のアミノ酸配列をもとに合成したオリゴペプチドを抗原としてウサギに免役し、抗フグIL-12抗血清を得た。得られた本抗血清は、組換えフグIL-12と反応することが確認された。前年度に得られた組換えフグIL-12に加えて、フグIL-12対する特異抗体が得られ、今後の魚類サイトカインの生理機能をタンパク質レベルでも解析するための準備が整った。
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