2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノムにおける魚類サイトカイン遺伝子群の発現解析と生理機能に関する研究
Project/Area Number |
16780145
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
吉浦 康壽 独立行政法人水産総合研究センター, 養殖研究所病害防除部, 主任研究員 (90372052)
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Keywords | トラフグ / サイトカイン / 組換えタンパク質 / 昆虫細胞 / 定量PCR / IL-12 / IFN-γ |
Research Abstract |
これまでの研究経過概要 トラフグおよびゼブラフィッシュのゲノムデータベースからサイトカイン遺伝子群の配列情報を収集し、多くの魚類新規サイトカイン遺伝子の単離・同定に成功した。その中でウイルスの感染防御に重要な役割を果たすと考えられるIL-12およびIFN-γについては、リアルタイムPCRを用いた遺伝子発現量の測定系を確立した。また魚類サイトカインの生理機能を解析するため、昆虫細胞を用いて組換えトラフグIL-12を作製するとともに、トラフグIL-12のアミノ酸配列をもとに合成したオリゴペプチドを抗原としてウサギに免役し、抗トラフグIL-12抗血清を得た。 感染・発病に伴う一連のサイトカイン遺伝子群の発現動態を解明するため、トラフグロ白症ウイルス感染後のIL-12およびIFN-γ遺伝子の発現動態を解析した結果、感染後のリンパ器官においてIL-12およびIFN-γのmRNA量の増加が認められ、ウイルス感染でこれらのサイトカイン遺伝子の発現が誘導されることが明らかとなった。 本年度の研究経過概要 トラフグIL-12の生理作用をin vitroで解析するために、トラフグの末梢血白血球を分離し、培養する系を確立した。この末梢血白血球培養系に組換えトラフグIL-12の産生する昆虫細胞の培養上清を添加して、IFN-γ遺伝子の発現が誘導されるか否かを調べた。しかしながら、昆虫細胞の培養上清のみでも、IFN-γ遺伝子の発現が誘導されたため、IL-12によるIFN-γ遺伝子の発現誘導活性を調べることができなかった。今後は、培養上清から組換えトラフグIL-12を精製し、培地成分を除去した標品を調整する必要があることが明らかとなった。
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