2004 Fiscal Year Annual Research Report
魚肉の死後軟化はストレス応答反応により誘発されるか?
Project/Area Number |
16780148
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
久保田 賢 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 助教授 (00314980)
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Keywords | MMP / TIMP / 死後変化 / 魚肉 / ストレス / 低酸素 / 低栄養 / 遺伝子発現変動 |
Research Abstract |
本研究では,1.冷蔵中の魚肉におけるストレス応答性遺伝子と軟化関連遺伝子およびタンパク質の発現変動解析,2.培養細胞へのストレス負荷による誘導遺伝子の解析を目的としており,1年目は主に1.について検討した。まず,ストレス応答性遺伝子として低酸素応答性遺伝子(HIF)に注目した。遺伝子発現解析のプローブ調製とタンパク質発現解析のための抗体調整を目的として,10種以上のDegenerateプライマーを設計してPCRを試みたが,ターゲットとしたヒラメでは,断片の増幅は見られなかった。そこで,すでにニジマスでクローン化された遺伝子配列利用することとし,組換えタンパク質を作製して抗原にし,特異的抗体を調製した。一方,低栄養ストレス応答性遺伝子としてRaptorの遺伝子クローニングを試み,遺伝子断片を得ている。2年目にこれらのプローブを用いて,死後冷蔵中に生じる遺伝子およびタンパク質の発現変動を解析する予定である。また,軟化関連遺伝子として,マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)とその組織阻害タンパク質(TIMP)に注目し,冷蔵中に生じる遺伝子発現の変動について検討した。用いたプローブの設計の問題のためか,MMP-9は発現遺伝子を検出することが出来なかった。それ以外のMMP-2,TIMP-2a,TIMP-2bの3種とも死後1日以内に遺伝子発現の減少が観察されたが,2種のTIMP-2と比較してMMP-2の減少程度は少なかった。今後タンパク質レベルでの発現変動を検討する。
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