2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
香川 文庸 京都大学, 農学研究科, 講師 (10291238)
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Keywords | 廃棄物処理 / 3R / マテリアルフローコスト / イニシャルコスト / ランニングコスト / 組織的取引 / コーディネーター |
Research Abstract |
平成17年度に行った主な作業は以下のとおりである。 (1)平成16年度までに開拓した調査地への調査、情報・データ収集を継続するとともに、平成16年度に構築した計測方法・モデルを駆使した実証分析を行うためのデータ収集を行った。特に、有機性廃棄物のリユース・リサイクルに必要となる機械施設の初期投資、イニシャルコストとランニングコストについて、複数の企業の実績値を調査した。その結果、廃棄物の処理規模とイニシャルコストに関し、明確な関連性を見出すことはできず、現時点では処理技術が未確立である可能性が低くないことがわかった。 (2)廃棄物処理・再生利用の経済性を計測し、そうした取り組みが経済行為として存立しうるか否かを検証した。その結果、廃棄物の処理・収集コストの低減をいかに達成するかが一つの大きなポイントであることが明らかとなった。また、各種の廃棄物処理・再生利用システムの分析結果を比較しながら各システムの有利点や問題点を導出し、今後の改善方向の提示を試みた。 (3)社会問題・経済問題の認識と考察には、その量的側面の観察が何よりも重要だが、廃棄物、有機性廃棄物の量的把握・統計的把握は遅れている。そこで、廃棄物の発生量や処理量を量的に把握するための仕組みや方法作りを試み、その仕組み・方法を利用して、実際に、地域レベルでの廃棄物発生量・循環的利用量などを推計し、その結果を吟味・検討することで、廃棄物の発生・処理に関する問題点を導出した。また、廃棄物循環システム構築のためには、地域ぐるみの取り組みが重要であり、地域内でのコーディネータの役割が不可欠であることを明らかにした。
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