長期動向を考慮した農業設備投資の意思決定支援システムの構築

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16780163
• Research Institution: 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
• Principal Investigator: 松本 浩一 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター経営計画部, 研究員 (10355472)
• Keywords: 農業経営 / 設備投資 / 意思決定 / 支援システム / 割引キャッシュフロー法 / 投資分析

Research Abstract

平成17年度は、計画に基づき以下の事柄を実施した。
1 昨年度に構築した農業設備投資計画の評価手法の問題点を抽出した上で、その改善を行った。農業経営に対する投資計画に評価手法に関する調査結果より、(1)取替え投資の時期を客観的データで確認したい、(2)投資に伴う資金借り入れの影響を知りたいという点があった。それを踏まえて、主に(1)投資資産の状況に応じて変化する法定耐用年数及び償却方法に対応した税務会計上の減価償却費の計上を可能にするとともに、投資をしない現状案を含めた比較分析の実施、(2)借入金の元利返済の影響を加えた割引キャッシュフローの推移、投資時点の変更に伴うキャッシュフローの推移の提示という点を改善した。
2 農業経営データの提供に協力して頂いた経営を対象に農業設備投資計画の評価手法の説明会を開催し、本手法の実務レベルでの運用の妥当性の検証を行うとともに、生産計画との連動方法に対する意見を収集した。本手法は主に最適な生産計画を提示する部分と農業設備投資計画の評価部分に分けられる。後者の農業設備投資の評価については、実態調査に基づいて改善したため、手法の方向性としての妥当性を受けた。前者の生産計画部分については、各農業経営が農業生産に関する詳細なデータを入力する点に実務上の問題があることが分った。この点の改善方向については、事前に農業技術に関するデータベースを用意し、それを基本に各農業経営が自らの経営に即して修正する方法が実務上妥当な方法であることが分った。