2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780165
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 忠男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00312398)
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Keywords | 浄化型水路 / 窒素 / リン / 汚濁負荷 / 酪農流域 |
Research Abstract |
本研究の目的は,浄化型水路の整備前後による水質浄化機能の把握である。そして,本年度は改修後の水質環境の把握が第一の目的であった。しかし,調査対象とした排水路は,本年度,春には改修整備完了予定であったが,工事が遅れ,本格的な水質調査ができたのは,9月以降であった。そのため整備前の水質調査は5〜7月まで,整備後の調査は9〜11月となった。 9月以降の調査であったため,水路内には植生が繁茂しなかった。そこで,流下過程での水質の変化は植物による同化作用は無く,脱窒による影響とみなして,脱窒の効果を把握することとした。また流域からの負荷流出の推定をおこなった。調査は,水文状況の把握のための河川水位と降雨量の測定,ならびに窒素,リン,SSなどの水質分析である。負荷の流出推定はGISソフトによっておこなった。以下に今年度の調査結果を示す。 (1)直線的な土水路から,水路床にワンドを配した排水路に改修することにより,流下時間が約30倍程度に延長された。 (2)それとともに,窒素・リンの浄化効果の向上が示唆された。 (3)改修後のワンド型排水路では脱窒とみられるNO3-N濃度低下があり,脱窒速度は0.35〜0.49g・m^<-2>・d^<-1>と推定された。 (4)集水域内の土地利用ごとのT-N負荷流出量を推定した結果,とくに畜産施設を含むブロックからの流出負荷が大部分を占めており,局所的かつ高濃度の汚濁発生を抑制することが,流域の水質改善につながることが改めて確認された。 (5)負荷流出後には,整備された浄化型排水路による窒素除去が負荷削減の有効な手段になりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)