2005 Fiscal Year Annual Research Report
カドミウムと粘土鉱物表面との分子レベル相互作用に着目した収着構造解析
Project/Area Number |
16780174
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高松 利恵子 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (90327461)
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Keywords | 土壌汚染 / カドミウム / 粘土鉱物 / 収着・脱離 / 熱分析 / 鉄酸化物 / EXAFS / pH |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き,粘土鉱物へのCd収着におけるpH依存性に着目し,その収着形態および収着サイトさらには粘土鉱物表面とCdとの相互作用を明らかにするために,以下の実験を行った. 1.Cd収着および脱離実験: 昨年度は,モンモリロナイト,パイロフィライト,カオリナイトへのCd収着サイトおよび収着形態を各pH範囲にわけて,明らかにした。本年度は,日本土壌を考慮し,酸性土壌下で多く存在する,HyA(hydroxyaluminum)-またはHAS(hydroxyaluminosilicate)-モンモリロナイト複合体および鉄酸化物を収着媒として,Cdの収着および脱離実験を行った。その結果から,各pHでのCdと粘土表面との相互作用を検討した。粘土複合体へのCd収着においては,モンモリロナイト及びパイロフィライトと同程度の,鉄酸化物へのCd収着ではそれ以上の相互作用が生じているとした。 2.TPD(昇温脱離)実験: 本年度は,あらたに粘土複合体および鉄酸化物試料のTPD実験を行った。Cd,AlおよびH_2OのTPDスペクトルから,鉄酸化物に収着したCdは,粘土複合体や粘土鉱物よりも安定した構造で収着していることがわかった。今後,昇温速度を変化させ実験を繰り返し,Cd脱離エネルギーを把握する。 3.EXAFS(広域X線吸収微細構造)実験および解析: 上記の結果を基に,各粘土鉱物および鉄酸化物へのCd収着形態のモデルを求め,それらを分子レベルで明らかにするためにEXAFS実験を行う必要がある。そこで,放射光施設であるKEK-PFに共同利用実験の申請を提出した(2006年度前期分)。また,以前測定を行ったモンモリロナイト試料のEXAFS解析を進め,モンモリロナイトへのCd収着サイトおよび収着形態を分子レベルで明らかにした(Takamatsu(2006))。
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Research Products
(1 results)