2005 Fiscal Year Annual Research Report
土壌面日射環境の不均一性による小規模移流を考慮した作物圃場の蒸発散量の定量化
Project/Area Number |
16780175
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
弓削 こずえ 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (70341287)
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Keywords | 小規模移流 / 蒸発散量 / エネルギー収支 / 土壌面蒸発量 / 作物蒸散量 / 消費水量 / 層モデル / 作物立体構造 |
Research Abstract |
本研究では,土壌面日射環境の不均一性によって生じる小規模移流現象を考慮に入れて,圃場の消費水量を定量化することを目的としている.昨年度は,作物圃場の水消費成分を構成する土壌面蒸発量と作物蒸散量のうち,小規模移流現象を考慮に入れて土壌面蒸発量推定モデルの構築を行った.今年度は,作物蒸散量を定量化し,これと土壌面蒸発量を併せて消費水量を定量化することを目的とした.まず,蒸散量を推定する層モデルを構築し,これによって作物の群落構造を考慮した蒸発散量推定モデルを構築した.このモデルの妥当性を検証するため,圃場実験を行った.前年度は作物からの蒸散の影響を省くため,作物体を模した形態モデルを用いたが,今年度はブロッコリー,キャベツおよびカツオナを用いて実験を行った.これらの作物をポットに植え,土壌面蒸発量を除くため,ポット表面をマルチで覆って実験を行った.このポットの重量変化を秤量して蒸散量を把握した。また,層モデルへのインプットデータとして,風速,純放射量,作物体の表面温度,空気の温度・湿度,地温などを測定した.さらに,群落構造を捉えるために,LAIを実測によって明らかにした.シミュレーションモデルで計算した作物蒸散量と実測値はよく一致していた.このモデルによって,小規模移流条件下における作物蒸散量を精度よく推定できることが明らかになった.
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Research Products
(3 results)