2004 Fiscal Year Annual Research Report
栄養処理による食肉呈味向上モデル家畜の呈味調節:遺伝子解析を用いた調節機構の研究
Project/Area Number |
16780186
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤村 忍 新潟大学, 農学部, 助教授 (20282999)
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Keywords | 食肉 / 高品質化 / 呈味 / 風味 / アミノ酸 / 栄養学 / 生化学 / 飼料 |
Research Abstract |
本研究は、栄養処理による食肉呈味向上モデル家畜の作出及びその代謝メカニズムの解明により、食餌による食肉呈味成分制御の可能性を検討するものである。食肉の呈味性アミノ酸量の増加モデルとして、1)飼料Leu、2)タンパク質(CP)レベルを調節した飼料を給与し、筋肉中遊離グルタミン酸(Glu)量を検討した結果、要求量(対照)に対しLeu70%はGlu量が35%の増加を示し、Leu130%は最も低い値を示した。一方CPレベルでは、CP17.6%(対照。100とする)を基準としCP150%以上でGlu量が有意に増加し、175%は最も高い90.9%の増加を示した。官能評価試験において、Leu70%及びCP175%は、対照に対し有意に風味が優れることが明らかとなり、これらを呈味向上モデルとした。 筋肉におけるGlu代謝メカニズムを、合成・分解に関わる、Glutaminase(GA),Glutamine synthetase(GS),ALT,AST,GDH,mRNA遺伝子発現から検討した結果、高CPではGA活性のみが特異的に影響され、Glu量に関与する可能性が示唆された。しかしこの変動は減少方向であり、in vitroの筋肉抽出液を用いた検討から、GluによるGA活性のフィードバック阻害が確認され、高CP飼料給与初期にGlu量が顕著に増加すると仮定し検討したところ、3〜5日目にGlu量は最も増加し、5日目以降は徐々に減少することが明らかとなった。3〜5日目は筋肉GS活性が低下し、これがGlu量増加に影響する可能性が明らかとなった。 これらの成果について、50^<th> International Congress of Meat Science and Technology及び日本畜産学会大会にて5回の研究発表を行った。またPoultry Science誌への投稿を準備中である。
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