2004 Fiscal Year Annual Research Report
食品素材を用いた「倹約遺伝子」発現制御による家禽の体脂肪蓄積抑制法の開発
Project/Area Number |
16780187
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 和久 神戸大学, 農学部, 助手 (40335427)
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Keywords | 鶏 / 大豆タンパク質 / 脂肪 / 倹約遺伝子 / 脂肪細胞 / リポリシス / β_3受容体 / 食品素材 |
Research Abstract |
[本年度の研究目的・研究実施計画] 鶏においてもβ_3受容体が「倹約遺伝子」であると推察してこれに焦点を絞り、大豆タンパク質摂取による体脂肪蓄積抑制が、β_3受容体遺伝子の発現促進に基づく脂肪分解の促進によるものであることを明らかにすると共に、大豆タンパク質の消化産物中の体脂肪蓄積抑制ペプチドを特定することに基づいて食品素材を用いた「倹約遺伝子」の発現制御に基づく家禽の体脂肪蓄積抑制法を開発することを最終目的として、平成16年度においては、鶏の脂肪組織からβ_3受容体cDNAを単離し、その存在を確認する。次に、β_3受容体mRNA量の測定と遊離脂肪細胞を用いたりポリシスの測定に基づき、大豆タンパク質摂取による体脂肪蓄積抑制はβ_3受容体遺伝子の発現促進に基づく脂肪分解促進によるものであることを明らかにする。 [研究によって得られた新たな知見等の成果] 1.脂肪組織からのβ_3受容体cDNAの単離 ヒトの脂肪組織のβ_3受容体遺伝子を基にプローブを設計し、鶏脂肪組織cDNAライブラリーを用い、鶏の脂肪組織からβ_3受容体cDNAをクローニングして、その塩基配列から推定されるアミノ酸配列に基づき、特性を明らかにした。 2.大豆タンパク質摂取による体脂肪蓄積抑制機構の解明 1)大豆タンパク質或いはカゼイン(代表的な動物性タンパク質、対照として)を唯一のタンパク質源とする精製飼料を鶏に給与し、上述の1.で得られたβ_3受容体cDNA及び内部標準としてβ-アクチンcDNAをプローブとして用いてノーザンブロット分析を行ない、脂肪組織におけるβ_3受容体mRNA量を定量的に調べた。 2)大豆タンパク質を唯一のタンパク質源とする精製飼料を給与した鶏の腹腔内脂肪組織から遊離脂肪細胞を調製してKrebs-Ringer緩衝液中で培養し、培養液中に放出された遊離脂肪酸量を指標に、リポリシスを測定した。 得られた結果に基づき、大豆タンパク質摂取による体脂肪蓄積抑制は、脂肪組織におけるβ_3受容体遺伝子の発現促進に基づく脂肪分解の促進によるものであることを確認した。
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