2004 Fiscal Year Annual Research Report
家禽卵黄膜精子レセプターの繊維形成をモデルとした細胞外マトリックスの形成機構
Project/Area Number |
16780192
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
笹浪 知宏 静岡大学, 農学部, 助手 (80322139)
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Keywords | 卵外被 / 卵黄膜 / ZPC / ZP1 / 繊維形成 / 受精 / ウズラ |
Research Abstract |
ZPCは鳥類の卵黄膜を構成するタンパクのひとつで,哺乳類の透明帯のZPCと相同なタンパクである。家禽の卵黄膜の繊維形成機構と生理機能をあきらかにするために,ZPCの不溶化機構を調べ,以下の結果を得た。 1.ZPCとZP1との結合特性を調べる実験を行なったところ,この結合は,イオン強度,pHによる影響を大きく受けることを見い出した。つまり,両タンパクはイオン結合により特異的に結合することが判明した。 2.ZP1のブロムシアン分解物を作成し,放射性同位体で標識したZPCとの結合を調べた。その結果,分子量45kDaの分解断片との結合が確認された。次いで,この断片の一次構造を決定したところ,この断片にはZPドメインと呼ばれる特徴的な構造が含まれていることが分かった。 3.ZP1遺伝子とその部位特異的変異体を発現ベクターに挿入し,CHO-K1細胞株に発現させた。これらの各種リコンビナントZP1とZPCとの結合を免疫沈降法で調べたところ,ZPドメインを欠損させたZP1はZPCとの結合活性を失うことが判明し,ZPドメインがZPCとの結合を制御していることが明かとなった。 4.ZPCとZP1の結合における種特異性を検討するために,各種家禽から分離したZP1とウズラZPCとの結合を調べた。その結果,ウズラのZPCはニワトリおよび七面鳥のZP1とは強く結合するが,ホロホロ鳥およびアヒルのZP1との結合は弱いことが判明した。現在,各種家禽のZP1のクローニング作業を遂行中であり,配列の決定後にZPドメインの構造に種間差があるか否かを調べる予定である。
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Research Products
(6 results)