2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780200
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
北村 直樹 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80301951)
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Keywords | 知覚神経 / パッチクランプ / 活動電位 / 神経因性疼痛 / 神経成長因子 |
Research Abstract |
神経成長因子(NGF)が神経因性疼痛の発症に関与していること、神経因性疼痛モデル動物の背根神経節(DRG)ニューロンは自発的に活動電位を生じていることが示唆されている。しかし、NGFが直接的にDRGニューロンに作用し細胞の興奮性を変化させるという報告はなされていない。本研究では、成熟ラットより単離したDRGニューロンをNGF存在下で継続的に培養し、細胞膜興奮性の変化を検討した。(投稿論文の追加実験を中心に行ったため、年度当初に計画していた研究には大きな進展はなかった。)NGF存在下で培養したDRGニューロンの中にはセルアタッチ記録で自発性スパイク電流が見られるものがあった。この電流に対してTTXとLidocaineが全か無かの法則に従った抑制作用を持つことから、このスパイク電流が細胞全体の自発性の活動電位を反映していると考えた。このうち75%の細胞で、ホールセル電位固定記録下で自発性に発生する内向き電流(Isp)が記録された。Ispに対してもTTX、Lidocaineが全か無かの法則に従った抑制作用を持つこと、K+チャネル抑制薬がIspの持続時間を延長させる作用を持つことから、Ispが局所的な活動電位を反映しているものであることが示唆された。Ispのkineticsは20ms以内に個々の電流が終了する非常に速いものであった。Ispはアウトサイドアウト記録下でも観察された。アウトサイドアウト記録下のIspのkineticsや薬理学的な性質はホールセル記録下のIspの性質に一致した。つまり、自発性活動電位を生じるような興奮性の高い部位が細胞体に存在しており、アウトサイドアウトパッチに引きちぎられ得ることが示された。以上の結果から、NGF存在下でDRGニューロンを培養することによって細胞膜の興奮性が増大し、細胞体の局所で自発的に活動電位が発生するようになっていることが示唆された。
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[Journal Article] Proinsulin C-peptide activates vagus efferent output in rats.2005
Author(s)
K.Kimura, A.Niijima, R.Yoshida, T.Kitamura, A.Kamikawa, D.T., Furuya, N.Kitamura, A.Konno, H.Nakamoto, N.Sakane, T.Yoshida, M.Saito
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Journal Title
Peptides 26・12
Pages: 2547-2553