2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780207
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
佐々木 典康 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助手 (20307979)
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Keywords | 肉牛 / 脂肪交雑 / 脂肪細胞 / 筋細胞 / Wnt |
Research Abstract |
肉牛に見られる脂肪交雑は牛肉の商品価値を高める上で非常に重要な形質となっている。この脂肪交雑は筋肉内脂肪の蓄積によるものだが、その形成機序は十分には解明されていない。筋細胞と脂肪細胞はどちらも同じ細胞系が起源と考えられている。この共通の幹細胞が何らかの因子により「決定」を受けることで将来分化するべき細胞の芽細胞となると推定されている。Wnt遺伝子は、形態形成や初期発生に重要な役割を果たしており、このWntは問葉系幹細胞を筋あるいは脂肪芽細胞へと決定づける「決定」因子である可能性が示唆されている。しかし、ウシにおけるこのWntの役割はまだ明らかでない。そこで本研究では、このWnt遺伝子、特にその中のWnt10Bに注目し、まずウシのWnt10B遺伝子の塩基配列を決定する。本年度はホルスタイン種の骨格筋よりmRNAを抽出し、λファージを利用したウシ骨格筋cDNAライブラリーを作製した。また、既報のマウスおよびヒトWnt10Bの塩基配列を参考にしてPCRプライマーを作成し、ホルスタインの末梢血から採取したゲノムを鋳型にPCRを行うことで部分的なウシWnt10B断片を得た。現在はこの得られたウシWnt10B断片をプローブとして、ウシ骨格筋cDNAライブラリーをスクリーニングしている段階である。
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