2004 Fiscal Year Annual Research Report
家畜の感染症に対する表皮ランゲルハンス細胞を標的としたDNAワクチンの開発
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16780214
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
盆子原 誠 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助手 (50343611)
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Keywords | ウシ / DNAワクチン / ランゲルハンス細胞 / プロモーター活性 / Dec2FR / 白血球 |
Research Abstract |
本研究ではウシにおける感染症の予防・治療法の新規アプローチであるDNAワクチンを開発するための基礎研究を目的とした。我々は今までにDectin-2遺伝子の5' franking region (Dec2FR)は表皮ランクルハンス細胞(LC)選択的な遺伝子発現を司っている領域であることを明らかとしてきた。しかしながら、このDec2FRをプロモーターとして用いた場合、LC選択性は非常に高いものの、その転写活性に関しては紐胞種非選択性であるSV40プロモーターやCMVプロモーターと比較して蛋白発現量が低い事が明らかとなって来た。従って、Dec2FRをプロモーターとしたウシにおける抗病原体のDNAワクチンを開発する上で、転写活性のLC選択性を保持しつつ活性強度さらに増強させる必要が考えられた。そこで本研究では、まずマウスのDec2FRを用いて、その活性増強メカニズムを検討し、ついでマウスDectin-2ウシ相同分子の全長のクローニングを行いその分子構造を明らかにした。 今回、Dec2FR-Lucマウスの白血球サブポピュレーションにおけるDec2FRの転写活性および白血球の活性化によるその変化を検討した。4つの白血球サブポピュレーション(DC、マクロファージ、BおよびT細胞)は活性化により著しいLuc活性の増加を示したが、そのレベルはLCにおける活性と比較すると低く、またLCでのDec2FR活性はUVBにより著しく増加した。以上の事からDec2FRは活性化された条件下においてもLC選択性が認められ、さらにUVBによりその活性を増加できることから、LCを標的とした遺伝子発現システムの構築に有用なプロモーターであると考えられた。さらに、今回全長を決定したウシ由来クローンの塩基配列より予測されるアミノ酸配列から、11アミノ酸残基より構成される細胞質ドメインと28アミノ酸残基より構成される膜貫通ドメイン、35アミノ酸残基のネックドメインと130アミノ酸残基の糖認識ドメインが認められ、マウスDectin-2と高い相同性を示す事から、このクローンはDectin-2相同分子であると考えられた。このウシDectin-2を利用する事で、ウシにおける表皮ランゲルハンス細胞を標的とした新規DNAワクチン開発が可能になると考えられた。
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[Journal Article] Characterization of Kdap, a protein secreted by keratinocytes.2004
Author(s)
Tsuchida S, Bonkobara M, McMilan JR, Akiyama M, Yudate T, Aragane Y, Tezuka T, Shimizu H, Cruz PD Jr, Ariizutni K.
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Journal Title
Journal of Investigative Dermatology 122
Pages: 1225-1234
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