2004 Fiscal Year Annual Research Report
感染防御抗原Ligタンパク質を介したレプトスピラの細胞接着機構の解明
Project/Area Number |
16780215
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小泉 信夫 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10333361)
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Keywords | レプトスピラ / 細胞接着 |
Research Abstract |
レプトスピラは、人獣共通感染症であるレプトスピラ症の起因菌であるが,その病原性機構はほとんど明らかになっていない.レプトスピラ症の多彩な臨床症状は,レプトスピラが多様な臓器に接着・侵入することで引き起こされる.そこで本年度はレプトスピラの細胞接着機構を明らかにすることを目的に,レプトスピラの培養細胞への接着実験の確立と接着阻害実験に必要な組換えタンパク質および抗血清の作製を行った. 上皮由来の培養細胞3種類HeLa,NRK52E,Vero細胞を用いて,レプトスピラUP-MMC-NIIDおよびNIID7をmoi,インキュベーション時間をかえて,細胞への接着,侵入を免疫染色法により蛍光顕微で観察を行った.レプトスピラはHeLa>Vero>NRK52Eの順に接着性が良く,またmoi 100,インキュベーション時間2時間が,細胞接着の観察を行うのに適当であった. この細胞接着機構へのLigタンパク質の関与を明らかにするために,LigA-mタンパク質全長,N末端あるいはC末端欠損組換えタンパク質の発現,精製,またLigA-mタンパク質に対する抗血清の作製を行った.現在これら発現タンパク質あるいは抗血清によるレプトスピラのHeLa細胞への接着阻害実験の予備的検討,すなわち組換えタンパク質あるいは抗血清の至的濃度の検討を行っている. また全ゲノム配列が明らかになっているレプトスピラのデータベースより,他の細菌の接着因子と相同性のある遺伝子の探索を行い,これらの接着候補遺伝子がUP-MMC-NIIDにも存在することが明らかになったので,これらについても,接着への関与を明らかにしていく.
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