2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780217
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 知己 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (20272643)
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Keywords | 栄養 / 繁殖 / 卵巣 / 黄体形成ホルモン / CIDR / インスリン / 遊離脂肪酸 / シバヤギ |
Research Abstract |
低栄養条件下における繁殖障害治療薬の効果を検討するとともに、グルコース(GLU)、インスリン(INS)、遊離脂肪酸(NEFA)と黄体形成ホルモン(LH)分泌との関係について基礎的データを収集した。発情周期を回帰するシバヤギを2群に分け、排卵翌日より対照群(C群;n=4)には体重の100%、制限給餌群(R群;n=4)には30%のTDN維持要求量を給餌した。制限給餌開始後30〜32日にジノプロスト2mgを投与した後プロジェステロン腟内徐放剤(CIDR)を挿入し、10日間留置した後抜去した。制限給餌開始前5日より毎日卵巣の超音波画像検査および採血を行ない、CIDR抜去前8時間より抜去後102時間までは2時間間隔で採血し、プロジェステロンおよびエスラジオール(E2)濃度を測定した。GLU、INS、NEFA濃度は1週間毎に測定した。また、抜去後32時間から40時間まで10分毎に採血し、LHパルスの変化を調べた。CIDR抜去日のR群の体重はC群に比較して有意に低かった。血中GLU濃度は実験期間を通して両群間に有意差は認められなかったが、R群のINS濃度は制限給餌開始後2週より,C群に比べ有意に低下した。NEFA濃度はR群において制限給餌開始後2週まで急激に上昇したが、その後徐々に低下した。C群ではすべての例でCIDR抜去後12日以内に発情と排卵が見られたのに対し、R群ではCIDR抜去後15日まですべての例で排卵が見られなかった。CIDR抜去後のLHパルス頻度および52〜102時間までの平均E2濃度はC群に比べてR群では有意に低かった。以上の結果から低栄養条件下で飼育したシバヤギにCIDR処置を行なった場合にはLHパルス頻度およびE2分泌が抑制され、発情や排卵の誘起効果が見られないことが示された。また、LHパルスの抑制にはインスリンおよび遊離脂肪酸が関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)