2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780220
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加納 塁 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00318388)
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Keywords | イヌ / TLR / CpG-DNA / 遺伝子発現 / RT-PCR |
Research Abstract |
イヌの腫瘍疾患においてリンパ腫は多く遭遇するが、治療は依然として抗癌剤に頼っている。そのため、完治する症例はほとんどなく、また抗がん剤による副作用が発現しやすく治療を困難としている。ヒトではB細胞型リンパ球に特異的に発現しているCD20抗原を標的とした、抗CD20モノクローナル抗体療法が行われている。そこで、イヌのB細胞型リンパ球の抗体療法を検討するため、平成16年度はイヌのCD20抗原のクローニングを行い、正常リンパ球、B細胞型リンパ腫細胞、T細胞型リンパ腫細胞におけるCD20抗原の遺伝子発現についてRT-PCRにて解析を行った。クローニングしたイヌのCD20遺伝子は1278bpで、297のアミノ酸残基をコードしていた。イヌCD20遺伝子塩基配列およびアミノ酸配列とも、ヒトおよびマウスの同遺伝子のそれと相同性が高かった。また、イヌのリンパ系細胞における本遺伝子発現は、正常リンパ球およびB細胞型リンパ腫には認められたが、T細胞型リンパ腫細胞には発現が認められず、B細胞に特異的に発現していることが示唆された。このことから、抗CD20抗体を作成すれば、特異的にイヌのB細胞を認識すると考えられた。これらの結果は現在特許として200年出願を行っている。さらに2005年2月に国際出願も行っている。 このように今回の研究計画に必要なイヌのCD20抗原遺伝子の情報は得たことから、来年度の研究を開始できる状態にある。
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