2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780221
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
堀 達也 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助手 (80277665)
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Keywords | 犬 / 凍結精液 / ラウリル硫酸ナトリウム / OEP |
Research Abstract |
犬精子は他の動物の精子に比較して耐凍性が低いことが知られている。このため、犬の凍結精液において、希釈液である卵黄トリス・フルクトース・クエン酸液(EYT-FC)に、豚で使用されている合成界面活性剤であるOrvus ES Paste(OEP)を添加しないと、受胎できず、OEP添加は犬の凍結精液の作製には不可欠なものとなっている。この理由としては、OEPの添加によって凍結融解後も精子アクロソーム・キャップが保護され、融解後の精子活力が向上し、長時間活力が維持されるためである。しかし、OEPの主成分はラウリル(ドデシル)硫酸ナトリウム(SLS)であることが知られているが、含有SLS濃度や、それ以外の組成は明らかにされていない。そこで、犬凍結精液においてEYT-FCへのSLSの添加の影響をOEPと比較した。 その結果、凍結融解後の精子活力および精子生存率は、SLSを添加した群では2mg/ml添加群が最も高かったが、OEP添加群がそれを上回った。しかし、両者の間に有意差はみられなかった。正常精子アクロソーム・キャップ保有率も、両者の間で差は認められなかった。 以上のように、犬の凍結精液の希釈液にOEP添加と同様にSLS2mg/mlの添加が有用であることが明らかとなった。このことから、SLS2mg/mlを添加した犬凍結精液でも、十分な受胎率が期待できることが考えられた。
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