2004 Fiscal Year Annual Research Report
ムギ類マイコトキシン汚染予防のためのDNAマーカーを使った病原菌の動態解明
Project/Area Number |
16780224
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
須賀 晴久 岐阜大学, 生命科学総合実験センター, 助手 (20283319)
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Keywords | フザリウム・グラミネアラム菌 / マイコトキシン / 系統 / 個体識別 / DNAマーカー / マイクロサテライトマーカー / ムギ類 / 動態 |
Research Abstract |
世界に分布するフザリウム・グラミネアラム菌は8つの系統に分かれている。日本に分布する菌の系統を明らかにするため、本年度はまず西日本分離菌の系統を調べた。分離された菌についてフザリウム・グラミネアラム同定用のPCRによりフザリウム・グラミネアラムであることを確認した後、Reductase遺伝子の塩基配列決定に供試した。解析の結果、西日本分離菌は第6系統が主要で、わずかに第7系統が含まれていることが分かった。更に、今後の系統判定作業を簡易化するために、Reductase遺伝子の塩基配列をもとに第6系統判定用のPCR-RFLPを開発した。 本研究は世界の菌と日本の菌の系統関係を明らかにするばかりでなく、菌の動態解明を目的としている。そこで本年度は動態解明において焦点をあてている熊本県のムギ圃場及び、九州各地から菌を収集(これに関しては2002年に分離された菌があったことから、今回は菌を分譲頂いた)すると共に、動態解析に必要なマイクロサテライトマーカーの開発を行った。開発した10個のマーカーにより菌株レベルの識別が可能かどうかを調べるため、熊本分離菌11株を含む西日本分離菌28株を用いて各マーカー領域をPCRで増幅し、高分解能を有するアガロースゲル(メタファーを使用)電気泳動に供試して対立遺伝子をスコアリングした。今後多数菌株のスコアリングを行うために、PCR産物の分離においてより高い分解能を有する方法、並びに効率的スコアリング法が必要となるが、各株が異なるハプロタイプを示したことから菌株レベルの識別が可能であることが分かった。
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Research Products
(2 results)