2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋産新規抗腫瘍性マクロリド・アンフィジノリドAの立体化学の解明
Project/Area Number |
16790001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石山 玄明 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70333622)
|
Keywords | アンフィジノリドA / 渦鞭毛藻 / Amphidinium sp / 絶対立体配置 / マクロリド / 全合成 |
Research Abstract |
申請者らは、渦鞭毛藻Amphidinium sp.より新規抗腫瘍性マクロリド・アンフィジノリドAを単離し、2D NMRを中心としたスペクトルデータに基づいて相対立体配置を含めた構造を提出してきた。アンフィジノリドAは、20員環マクロリドで、分子内に不斉点が9個あり、環内に3個のエキソメチレン、4個の水酸基、側鎖にエポキシドをもつ化合物である。本研究では、絶対立体配置を含めたアンフィジノリドAの真の構造を明らかにする目的で、2D NMRデータの再解析および計算化学的手法により、相対立体配置を再度帰属し直すとともに、これまで報告されている合成ルートを参考にして光学活性体を合成することを計画した。 アンフィジノリドAの相対立体配置の帰属: 最新のパルスシークエンスを用いた2D NMRの測定、データ解析、および計算化学的手法の組み合わせにより、アンフィジノリドAの相対立体配置を再帰属し、2種のジアステレオマーを推定した。 アンフィジノリドAの全合成: 再帰属したアンフィジノリドAの2種類のジアステオレオマーのうち、一方のジアステレオマーをTrostらの方法に準じて光学活性体として全合成した。すなわち、Sharplessの不斉エポキシ化およびジヒドロキシル化反応を用い、立体選択的に分子の各半分に相当する2個のセグメントを合成し、両セグメントをエステル化後、分子内エンインメタセシスを鍵反応として全合成した。 アンフィジノリドAの絶対立体配置の解明: 全合成した一方のジアステレオマーと天然物のスペクトルデータおよびHPLCの保持時間の比較を行った結果、合成した化合物は天然物のアンフィジノリドAとは異なる立体配置であることが分かった。現在、もう一方のジアステレオマーの合成についても検討中である。
|
Research Products
(2 results)