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2004 Fiscal Year Annual Research Report

新規なα-シアノ硝酸エステルの合成とカルボニル化反応

Research Project

Project/Area Number 16790012
Research InstitutionHiroshima International University

Principal Investigator

末田 拓也  広島国際大学, 薬学部, 講師 (40260682)

Keywords有機硝酸エステル / α-シアノ硝酸エステル / α脱離 / アシルシアニド
Research Abstract

有機硝酸エステルのα脱離反応は、カルボニル化合物を生成する大変特徴的な反応である。ところが多くの場合、α脱離以外にβ脱離によるオレフィン化反応や炭素原子上での求核置換反応も同時に進行するため、有機合成反応への適用がほとんどなされていない。そこで今回、有機硝酸エステルのα位に電子吸引基を導入してα位水素の酸性度を大きくすると、α脱離反応が選択的に進行すると予想し、αシアノ硝酸エステルを新規に合成して、そのα脱離反応から簡便かつ高収率でアシルシアニドを合成する方法を計画・実施した。
フェニルアセトニトリルとNBSとの反応から容易に入手できるα-ブロモフェニルアセトニトリルに、アセトニトリル中室温で硝酸銀を作用させたところ、目的とするα-シアノ硝酸エステルはほとんど検出されず、そのα脱離反応が進行したベンゾイルシアニドが59%の収率で生成した。このようなα-ブロモアセトニトリル誘導体から直接アロイルシアニドを与える反応はこれまでに全く報告例がないので、本反応の最適条件を精査したところ、α-ブロモフェニルアセトニトリルに1.3当量の硝酸銀をアセトニトリル中50℃で作用させると高収率でベンゾイルシアニドが得られることを見いだした。また、最適条件下に種々のアロイルシアニドもまた良好な収率で得られ、本反応の一般性を確立した。
一方、本反応を低温で反応を行うと、α-シアノ硝酸エステルが低収率ではあるが得られることも見いだした。得られたα-シアノ硝酸エステルは、触媒量の硝酸銀存在下にアセトニトリル中50℃に加熱するか、または弱い塩基性条件下に容易にアロイルシアニドに変換されたことから、αシアノ硝酸エステルが本反応の中間体であることが判明した。
現在、詳細な反応機構の調査をUVスペクトルによる反応速度測定及び分子軌道計算から調査すると同時に、アシルシアニドの合成への適用に関して精査している。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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