2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアルバイオトランスフォーメーションによる低副作用医薬品の開発
Project/Area Number |
16790014
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
下田 恵 大分大学, 医学部, 助教授 (40284153)
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Keywords | 低副作用医薬品 / スラリー型リアクター / 連続運転 |
Research Abstract |
低副作用医薬品の開発を目的として、医薬品生産に用いるスラリー型リアクターを構築するため、植物由来加水分解酵素を用いた反応の最適条件の検討を実施した。 (1)酵素的逆加水分解反応の最適条件の検討と酵素のキャラクタリゼーション 50mM HEPES-NaOH緩衝液(pH7.0)反応溶液中(15ml)に添加する酵素量および反応時間について、基質としてコルチゾンを用いた酵素的逆加水分解反応の反応条件を検討した。その結果、反応系に5%DMSOを添加した場合、10μmolコルチゾンおよび酵素画分0.03mgと、50mM HEPES-NaOH緩衝液(pH7.0)中で38℃、24hインキュベートすると、時間の経過とともに反応が進行し、生成物が最大で18%の実収率で得ることができた。反応条件としては、この酵素・基質比率で実施した場合が、酵素が最も安定化される逆加水分解反応における最適反応条件であった。 酵素のキャラクタリゼーションを行うため、フェノール類およびアルコール類に対する変換率を、酵素画分0.05mgを触媒として標準反応条件下(15ml)で検討した。その結果、フェノール性水酸基に対する反応は確認されず、2級水酸基についてのみ反応の進行が確認された。次に、ステロイド類の反応における有機溶媒の効果を検討したところ、DMSOを溶媒として用いた場合にのみ高い活性が確認され、クロロホルムやアセトニトリル中での活性はまったく得られなかった。 (2)スラリー型リアクターの最適条件の検討 スラリー型リアクターを最適条件で稼動させるため、ステロイド類の連続的変換反応の最適化を行った。スラリー型リアクターに、5%DMSOを添加溶媒として、10μmolステロールを基質として連続的に5回の逆加水分解反応を行った際、最大変換率70%、実収率55%の連続運転まで、酵素が有効に機能することが分かった。
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Research Products
(6 results)