2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアルバイオトランスフォーメーションによる低副作用医薬品の開発
Project/Area Number |
16790014
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
下田 恵 大分大学, 医学部, 助教授 (40284153)
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Keywords | 低副作用医薬品 / スラリー型リアクター / ステロイド系医薬品 / クマリン系医薬品 |
Research Abstract |
前年度に引き続き低副作用医薬品の開発を目的として、前年度開発したスラリー型リアクターによりステロイド系ならびにクマリン系生理活性化合物の変換を行った。今年度は反応触媒としてタバコ培養細胞を用い、混合酵素系としての生体触媒によるバイオトランスフォーメーション技術の低副用医薬品開発への展開を試みた。 (1)タバコ懸濁培養細胞系スラリー型リアクターによる11,20-ジヒドロキシステロイドの変換 タバコの液体懸濁培養細胞を充填したスラリー型リアクターに、基質として11,20-ジヒドロキシステロイドを培養細胞1kgに対し2〜10g添加して5日間インキュベートを行った。反応生成物は細胞メタノール浸漬の後に酢酸エチル分画を行い、各種クロマトグラフィーにより精製を行った。変換生成物のマスおよびNMRスペクトル解析を行った結果、目的のジアステレオマーが高い光学純度99%で得られることが分かった。また、逆加水分解反応だけでなく酸化反応や異性化反応が生起しており、基質投与量が少量の場合には酸化反応が進行し目的反応の進行がえられることが分かった。 (2)タバコ懸濁培養細胞系スラリー型リアクターによるヒドロキシクマリンの変換 基質としてヒドロキシクマリンを培養細胞1kgに対し2〜10g添加して変換反応を行った場合には、逆加水分解反応が進行し、酸化反応の進行は遅く異性化反応はみられなかった。次に、それぞれの反応に関与している酵素蛋白質レベルによる11,20-ジヒドロキシステロイドおよびヒドロキシクマリンの基質特異性を調べた。酵素系の精製はタバコ粗酵素画分をイオン交換カラム、ヒドロキシアパタイトカラム、アフィニティーカラムの各種クロマトグラフィーにより行った。反応は基質5mM及び補酵素10mMを、精製した酸化酵素溶液に添加して24時間37℃でインキュベートすることにより行った。その結果、酸化酵素は11,20-ジヒドロキシステロイドを特異的に変換し、これら基質におけるリアクターの反応性の違いは酸化酵素の基質特異性によることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)