2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790015
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
近藤 和弘 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90277343)
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Keywords | 含窒素複素環カルベン / 光学活性二座配位子 / 配座制御 / 塩化アリール / 分子内アリール化 / 不斉触媒 / 原子効率 / 環境調和 |
Research Abstract |
擬似N-Ar軸不斉を基盤にして、光学活性含窒素ヘテロ環カルベン型二座配位子を設計し、従来困難であった塩化アリール(Ar-Cl)を基質とする不斉触媒反応の開発を目的とする。Ar-Clの結合エネルギーは大きく、酸化的付加が進行しにくいため、従来、Ar-Xを基質とする触媒的不斉反応にはAr-OTf、Ar-Br等が用いられていた。しかし、それらはコストが高く、より安価なAr-Clを基質とする反応の開発が望まれていた。含窒素ヘテロ環カルベンは強い電子供与性を示すことが知られているので、二座配位した錯体は単座配位の場合に比べて、より強い求核性を示すことが予想される。よって、Ar-Clの容易な酸化的付加の進行が期待される。又、錯体形成時には、5のN-Ar軸は近傍の不斉を反映して、良好な不斉場を提供しうるものと期待できる。尚、カルベン型単座配位子を用いた触媒的不斉反応の成功例は、オレフィンメタセシスに代表される数例のみであり、特にカルベン型二座配位子を用いた触媒的不斉反応の成功例は報告されていない。実際、二座配位子を用いて分子内アリール化を行ったところ、不斉収率はまだ低いものの、種々のカルベン型単座配位子と比べて、反応が2倍速いことを確認した。また、アキラルな系ではあるが、Buchwaldのアミノ化反応においても、カルベン型単座配位子と比べて、反応が3倍速いことを確認している。
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Research Products
(6 results)