2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗マラリア活性物質borrelidinの全合成及び創薬研究
Project/Area Number |
16790019
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長光 亨 北里大学, 薬学部, 助教授 (90300756)
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Keywords | 抗マラリア剤 / ボレリジン / 全合成 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
ボレリジンは、薬剤耐性マラリア原虫にも優れた殺活性を示し、かつ毒性が低く選択性が高いことが近年北里研究所にて立証された。よって今後のボレリジンをリード化合物とした新規マラリア薬の開発は、今日問題となっているマラリア流行を打開する大きな切り札となる可能性が高いと言える。今後より優れた抗マラリア薬を開発していくためにも、大量合成が可能で、かつ幅広いボレリジンの誘導体合成に道を開く効率的な全合成経路の確立に着手することとした。その結果、過去に報告されている他グループの全合成経路よりも短工程でかつ高い総収率でボレリジンの全合成を達成することができた。しかし研究代表者の全合成経路には改善すべき点も存在していて、今後この合成径路を応用して大量合成や誘導体合成を進めていくためにも、より効率的にする必要があった。そこで全合成経路中最も低収率であった鍵反応である分子内Reformatsky-type反応を改善することを目的に研究に着手した。基質である環化前駆体中のニトリルをアリルエステルへと変換した新たな基質を用いて分子内Reformatsky-type反応を試みたところ、高収率で環化体を与えることがわかった。しかしそのC12-13位オレフィンの立体化学は目的のE配置ではなくZ配置であった。そこで続いてC12-13位オレフィンの異性化反応を試みた。その結果、分子内Reformatsky-type反応の環化前駆体より4工程61%という高収率で目的のC12-13(E)アリルエステル体を得ることに成功した。現在アリルエステルからニトリルへの変換を試みており、より効率的な全合成経路の確立を目指している。また全合成経路の改良と平行して、全合成経路を応用した誘導体合成も進めており、構造活性相関研究を進め、より優れた抗マラリア剤を開発して行く。
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Research Products
(1 results)