2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖抑制新規多ハロゲン化スルホリピッド類の不斉全合成と医薬資源開拓
Project/Area Number |
16790021
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
好光 健彦 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (30301576)
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Keywords | 多ハロゲン化合物 / 不斉合成 / 立体制御 / スルホリピッド / エポキシ化 / ハロヒドリン / 細胞増殖抑制 / 立体特異的ハロゲン化反応 |
Research Abstract |
複雑な構造と高い反応性を併せ持つ多官能性有機物質の創製、変換、供給は、有機合成化学分野の重要な一領域をなす。しかしながら、多官能性有機物質のひとつであり、興味深い医薬資源としての可能性を秘める多連続不斉ハロゲン化合物は必ずしも活発な合成研究の対象となってはいない。 このような背景のもと、報告者は、Adriatic Shellfishより最近単離された細胞増殖抑制新規多ハロゲン化スルホリピッドを標的とする合成研究を通して、反応活性なハロゲン置換炭素の不斉制御という有樵合成化学における未開拓の問題を解決するとともに、制がんに関わる新たな医薬資源となる不斉ハロケン化合物の獲得を目的とする研究を推進した。 本年度の研究では、さまざまなアルケニルアルコール類の不斉エポキシ化とその立体特異的ハロゲン化手法を基盤として、不斉制御下でのvic-ジクロロ化合物あるいはクロロヒドリン類の立体選択的構築法を確立した。すなわち、報告者らは、さまざまなアルケニルアルコールに対するエナンチオ選択的エポキシ化反応を経て導いたエポキシドに対し、準クロロスクシニミド-トリフェニルホスフィンを作用させるとvic-ジクロロ化合物が良好な収率で立体特異的に得られ、一方、N-クロロスクシニミド-トリブチルポスフィンを作用させるとクロロヒドリン類が得られることを見出した。本手法は、単純なモノエポキシドのみならずビスエポキシドに対しても適用でき、多連続不斉ハロゲン化合物の立体特異的合成を可能にする。
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