2004 Fiscal Year Annual Research Report
アンチマイシンA類の持つ電子伝達系阻害活性とアポトーシス誘導活性の活性分離研究
Project/Area Number |
16790024
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
西井 健 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40341268)
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Keywords | アンチマイシン / 不斉合成 / 抗真菌薬 / 電子伝達系阻害剤 / アポトーシス誘導剤 |
Research Abstract |
1.純粋なAntimycin A_<3a>, A_<3b>の供給と活性評価 一般にAntimycin A_3として市販されているものには,Antimycin A_<3a>とA_<3b>が含まれていることがこれまでの研究により明らかにされている.しかし,これらは互いに非常に似かよった構造をしているため単離精製することは非常に困難である.また,市販品のAA_3には,本来AA_3として知られているAA_<3b>よりもAA_<3a>のほうが多く含まれている.そこで,どちらが活性本体であるのかを決定するめ,本研究により合成した純粋なAA_<3a>とAA_<3b>を用いて,MTTアッセイによるヒト前骨髄性白血病細胞に対する細胞毒性試験を行った.しかし,両者の活性に有意な差は認められなかった.活性本体を決定するためには本来の作用である抗真菌活性や,ミトコンドリアの呼吸阻害活性など,さらなる検討を行う必要がある. 2.Antimycin A類のエステル側鎖の構造変換 これまでに確立した合成ルートにより,ある程度の種類の誘導体が合成できた.これらの活性評価は現在検討中である.しかし,より多くの誘導体合成となると,これまでの合成ルートを大幅に改善する必要がでてきた.現在,立体構築の方法にサルタムを用いたアルドール反応を利用することにより,これまでのものよりも短段階,高効率な合成ルートの開発中であり,これは間もなく完成する予定である.これからこの新合成ルートを利用してさらに多くの誘導体を合成する予定である.
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