2004 Fiscal Year Annual Research Report
O-GlcNAc修飾プロテオームの迅速・効率的検出法の開発と機能解析
Project/Area Number |
16790040
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
原園 景 国立医薬品食品衛生研究所, 主任研究官 (20280753)
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Keywords | LC / ESI / MS / MS / O-GlcNAc |
Research Abstract |
O-N-アセチルグルコサミン(ο-GlcNAc)修飾は、タンパク質の機能調節に関わる翻訳後修飾として、近年注目を集めている。これまで、O-GlcNAc修飾の検出は、[^3H]標識や抗体、化学修飾等を用いてオートラジオグラフィー、ウエスタンブロット、質量分析器などによりなされてきた。しかし、前二つの方法は、タンパク同定が出来ない、又、化学修飾は煩雑である。そこで、タンパク質を酵素消化し得られたO-GlcNAc化ペプチドをそのままLC/ESI/MS/MS測定することによりO-GlcNAc化タンパク質を検出・同定が可能であるかを検討した。O-GlcNAc化タンパク質やペプチドは市販されていないため、Asn残基にGlcNAcが結合したペプチドを調製し、これをモデルとしてMS/MSスペクトルから適切にGlcNAc修飾ペプチドを同定出来るかどうか検討した。ヒト血清を還元カルボキシメチル化し、トリプシン消化し、得られたペプチドおよび糖ペプチドからConAに結合する糖ペプチドを回収した。そして、グリコシダーゼによりAsn残基にGlcNAcが結合した糖ペプチドを得た。質量分析器にはQ-TOF MS(Qstar pulser i)を用いた。LC/ESI/MS/MS測定で得られたMSデータを、Asnにアミノ酸修飾としてGlcNAcを設定しマスコット検索エンジンを用いてヒトタンパク質のデータベース検索をしたところ、質の高いプロダクトスペクトルが得られたものについて、N結合型糖鎖結合部位を含むペプチドを同定することが出来た。このことから、O-GlcNAc修飾ペプチドも検索により同定出来ることが推測される。今後、細胞試料を用いて実際にO-GlcNAC修飾を検出出来るかどうか検討する。
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