2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬物精神依存に関わる脳内グリア細胞機能に関する研究
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16790051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 貴之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30303845)
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Keywords | 依存性薬物 / グリア細胞 / グルタミン酸トランスポーター / モルヒネ / メタンフェタミン / コカイン / GLT-1 / 薬物精神依存 |
Research Abstract |
まず、モルヒネ、メタンフェタミン(METH)およびコカインによる精神依存に対するグルタミン酸トランスポーターの関与を明らかにするため、グルタミン酸トランスポーター活性化薬MS-153の影響を、条件付け場所嗜好性試験により検討した。その結果、MS-153は、モルヒネ、METHおよびコカインの単回投与による運動活性増加作用に影響を与えることなく、それらの反復投与によって誘発される条件付け場所嗜好反応(CPP)を有意に抑制した。反対にグルタミン酸トランスポーター阻害薬DL-TBOAを側脳室内に前処置しておくことにより、モルヒネ誘発CPPは濃度依存的に有意に増強された。さらに、DL-TBOAは、METHの単回投与による運動活性増加作用に影響を与えることなく、反復投与によって獲得される行動感作の発現を有意に増強した。またこのとき、側坐核shell内における細胞外グルタミン酸濃度の変化をin vivoマイクロダイアリシス法により測定した結果、METH条件付けを行った群においては、METH challengeの10分前からTFB-TBOAを側坐核shell内に灌流させておくことにより、細胞外グルタミン酸量の顕著な増加が認められた。また、組み換えアデノウイルスを用いてグリア型グルタミン酸トランスポーターGLT-1を側坐核shell内に遺伝子導入することにより、モルヒネおよびMETH誘発CPPが、コントロールのアデノウイルスを注入した群と比較して有意に抑制された。さらに、グルタミン酸トランスポーターの動態を可視化するため、グルタミン酸トランスポーター阻害薬BzA-TBOAを母体化合物として、[^<125>I]標識および[^3H]標識した放射性標識リガンド2種類を合成することに成功し、それらの結合親和性を検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Effect of MS-153, a glutamate transporter activator, on the conditioned rewarding effects of morphine, methamphetamine and cocaine in mice2005
Author(s)
Nakagawa, T., Fujio, M., Ozawa, T., Minami, M., Satoh, M
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Journal Title
Behavioral Brain Research 156
Pages: 233-239
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[Journal Article] Involvement of locus coeruleus noradrenergic neurons in supraspinal antinocic eption by α,β-methylene-ATP in rats2004
Author(s)
Fukui, M., Takishita, A., Zhang, N., Nakagawa, T., Minami, M., Satoh, M.
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Journal Title
Journal of Pharmacological Sciences 94
Pages: 153-160
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