2004 Fiscal Year Annual Research Report
パッチクランプ法による細菌細胞の多剤排出ポンプの解析
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16790054
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 照夫 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80304327)
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Keywords | パッチクランプ法 / 多剤排出ポンプ / イオン輸送系 |
Research Abstract |
1.多剤排出ポンプの大量発現プラスミドの作成と大量発現及び活性測定 アラビノースプロモーターを用いた大量発現系を構築できた。通常細胞では問題なく発現させることができるが、巨大プロトプラストでは、発現させると細胞膜の脆弱さがさらに進む、あるいはパッチクランプ法に適用できるほど巨大化できない、など不具合が生じた。条件検討をさらに重ね、ようやく活性測定できる態勢は整えることはできたが、活性を捉えるには至っていない。この条件で次年度は活性測定を行う。またリポソームへの再構成後、そのリポソームを巨大化させるという別の観点からのアプローチも急遽進めている。 2.新規多剤排出ポンプ遺伝子のクローニング 肺炎桿菌、腸炎ビブリオ、non-01コレラ菌、緑膿菌、セラチア、黄色ブドウ球菌から、機能相補の面及び一次構造の類似性の面から多剤排出ポンプ遺伝子をクローニングした。合計30種程度の新規多剤排出ポンプについて現在解析を行っており、そのうち半数以上がすでに解析を終了している(投稿準備中)。 3.大腸菌巨大プロトプラストにおける遺伝子発現プロファイルの解析 パッチクランプ法による解析をさらに行いやすくするために、大腸菌巨大プロトプラストにおける遺伝子発現プロファイルを解析した。現在詳細なデータ解析を行っており、その結果を基に巨大化法の改善策を決定する。 4.黄色ブドウ球菌の巨大化及びパッチクランプ法による活性測定 グラム陰性菌である大腸菌だけでなく、グラム陽性菌である黄色ブドウ球菌で巨大化の方法を新たに見出した。そして呼吸鎖、F-type ATPaseの活性をパッチクランプ法で捉えることに成功した(投稿準備中)。
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