2005 Fiscal Year Annual Research Report
K^+チャネル電位依存性制御の分子機構解明と電位依存性K^+チャネル開口薬の探索
Project/Area Number |
16790059
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (70275147)
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Keywords | 電位依存性K^+チャネル / K^+チャネル開口薬 / 電気生理学実験 / 電位依存性制御機構 / 哺乳類培養細胞発現系 / 遺伝子改変実験 / ミトコンドリアK^+チャネル / 消化管間質細胞腫 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画では、「K^+チャネル電位依存性制御の分子機構解明」と「電位依存性K^+チャネル開口薬の探索」に主眼をおき、次の検討事項を掲げた。 1.高効率薬物探索系における電位依存性K^+チャネル開口薬の探索 2.電位センサー変異体による開口薬作用部位の同定 1については、研究代表者が樹立した電位依存性Ca^<2+>活性化K^+チャネル定常発現細胞株を用いて開口薬の候補化合物を探索した。電気生理学的手技により解析した結果、脳内化学物質であるアナンダミドや樹脂酸誘導体がK^+チャネル開口作用を有することを明らかにすることができた(研究業績参照)。また、これまで分子実体が不明であったミトコンドリアCa^<2+>活性化K^+チャネルの分子実体の一部(mitoK_<Ca>-β1)を明らかにし、ミトコンドリア内膜においてmitoK_<Ca>-β1とシトクロムc酸化酵素が複合体を形成する可能性を示した(研究業績参照)。本研究では、ミトコンドリア膜電位、ミトコンドリア呼吸の可視化解析や実験的虚血心筋細胞モデルによりK^+チャネル開口薬による心筋細胞保護作用の機構の一部も明らかにした。 2については、遺伝子改変技術により電位依存性K^+チャネル、Kv1.1チャネルの点変異体を複数作成し、樹脂酸誘導体によるK^+チャネル開口作用や電位依存性制御の分子機構ついて検討した。その結果、樹脂酸誘導体による電位依存性制御に関与する部位をある程度同定することができた(学会発表済、投稿中)。 最近では消化管間質細胞腫におけるK^+チャネル遺伝子発現解析を行い、電位依存性K^+チャネルが腫瘍増殖に関与している可能性を示した(研究業績参照)。
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Research Products
(6 results)