2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790061
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古地 壯光 北里大学, 薬学部, 講師 (00302167)
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Keywords | アスパラギン酸 / アスパラギン / PIMT / 異性化 / ラセミ化 |
Research Abstract |
蛋白質において、アスパラギンやアスパラギン酸残基は、異性化やラセミ化を非常に起こしやすく、その劣化に伴いL-イソアスパラギン酸(IsoAsp)およびD-アスパラギン酸(D-Asp)が生じることが知られている。本研究では、蛋白質中のアスパラギンやアスパラギン酸残基の異性化ないしラセミ化が細胞内の情報伝達機構に及ぼす影響に関して、その修復酵素であるprotein L-isoaspartyl/D-aspartyl O-methyltransferase(PIMT)の発現抑制細胞を作製し、それを用いることにより解析を試みた。まず、PIMT mRNAの分解を促進するPIMT siRNAの発現ベクターを構築し、これをHEK293細胞に導入することにより、PIMT発現抑制細胞株を樹立した。樹立した細胞におけるPIMTの発現は、Northen blotting法およびImmunoblotting法により確認した。また、内在性タンパク質の異性化の程度を検討した結果、コントロールに比べPIMT発現抑制株において異性化したタンパク質の増加が観察された。そこで本細胞株を用いて、PIMTの発現抑制がMAPキナーゼカスケードを構成するシグナル伝達分子群の活性化に及ぼす影響について解析したところ、PIMT発現抑制株においてEGF刺激によるMEKおよびその下流であるERKのリン酸化の持続が認められた。これらの結果から、PIMT発現抑制株においては、MEKの脱リン酸化の機構になんらかの傷害が引き起こされている可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)