2004 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌の細胞内寄生性を標的にした新規結核治療法の開発
Project/Area Number |
16790064
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
伊藤 佐生智 星薬科大学, 薬学部, 助手 (70308013)
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Keywords | p57 / coronin1 / アクチン結合タンパク質 / ファゴサイトーシス / Protein Kinase C |
Research Abstract |
免疫組織特異的アクチン結合タンパク質p57/coronin1はWDリピートとコイルドコイルという特徴的なドメインをもつ.p57は他のコロニンファミリータンパク質と異なり,C末端のコイルドコイル領域にロイシンジッパーを含んでいる.平成16年度の研究ではp57におけるロイシンジッパーの役割について精査した.その結果,(1)p57はロイシンジッパー領域を介してホモ二量体を形成すること,(2)ロイシン残基はホモ二量体形成に必須であり,4残基中2残基を置喚することによりホモ二量体形成能が消失することを明らかにした.我々は以前にWDリピートを含むp57のN末端領域に少なくとも二カ所のアクチン結合部位が存在することを報告している.従って,p57は二量体としてアクチンフィラメントを架橋することによりファゴソームの形成と成熟を制御するタンパク質であることが示唆された. 我々はp57のファゴソームからの解離がファゴソーム成熟に必須であり,この過程がPKCによるp57のリン酸化により調節されていることを明らかにしている.また種々の生物学的過程において各々のPKCアイソフォームが空間的,時間的に異なった制御を受け,異なった役割を果たしていることが知られている.平成16年度の研究ではファゴソームの成熟過程を制御するPKCアイソフォームについての薬理学的検討を行なった.その結果,これまでに11種見出されているPKCアイソフォームのうち,特定の2種が選択的にファゴソーム成熟に関わっていることを示唆する知見を得た.今回特定されたPKCアイソフォームは細胞内寄生体のターゲットとでである可能性が考えられる.
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Research Products
(1 results)