2005 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌の細胞内寄生性を標的にした新規結核治療法の開発
Project/Area Number |
16790064
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
伊藤 佐生智 星薬科大学, 薬学部, 助手 (70308013)
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Keywords | p57 / coroninl / アクチン結合タンパク質 / 細胞内寄生菌 |
Research Abstract |
アクチン結合タンパク質p57は免疫細胞に特異的に発現し,食作用をはじめとする細胞運動に関与していると考えられている.我々は以前に白血球の貧食の際にp57がアクチンとともにファゴソームに集積し,ファゴソームの成熟に先行してファゴソーム膜から解離することを見出している.また細胞内寄生菌である結核菌はp57のファゴソームからの解離を抑制してファゴソーム成熟を抑制し,細胞内での生存を可能にしているという報告もあることからp57とアクチンの相互作用の解析は細胞内寄生菌の生存機構の解析に意義があると思われる.p57はN末端のWDリピート領域とC末端のロイシンジッパーを含むコイルドコイル領域からなる.これまでに我々はWDリピート領域中に少なくとも2ヶ所アクチン結合能が存在すること,およびコイルドコイル領域が二量体形成に関与していることを明らかにしている.p57の二量体形成とアクチン細胞骨格の関係について解析した結果,二量体形成能のある野生型p57はF-アクチンの架橋を行い,コイルドコイル領域中のロイシンをアラニンに置換することにより二量体形成能が阻害されたp57ではF-アクチン架橋能が阻害されていることが示された.p57の二量体形成にはC末端のコイルドコイル中に存在するロイシンジッパーモチーフが重要であり,p57のアクチン結合能と二量体形成能はアクチンの架橋形成を調節してファゴソーム膜におけるアクチン細胞骨格の調節を担っている可能性が示された.
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Research Products
(4 results)