2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト遺伝性疾患関連領域から単離した機能未知遺伝子GOLSYNの生理機能の解析
Project/Area Number |
16790066
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
船越 英資 摂南大学, 薬学部, 助手 (70299030)
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Keywords | ゴルジ体 / シンタフィリン / 小胞輸送 / 蛋白質輸送 / ヒト8番染色体 / ヒト遺伝性疾患 / GOLSYN / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
【研究目的】我々がヒト8番染色体q23領域から単離したGOLSYN遺伝子は、コイルドコイル領域と膜貫通領域を持つ蛋白質をコードしている。GOLSYN蛋白質は神経細胞におけるシナプス小胞輸送に関与するシンタフィリンと高い相同性を示すことから、細胞内蛋白質輸送に関わる分子であることが予想されるが、その生体内における役割については分かっていない。そこで、GOLSYN遺伝子の細胞内機能を明らかにする目的で、ヒト細胞株を用いてGOLSYN蛋白質の細胞内局在について解析した。 【実験結果】GFP-GOLSYN融合蛋白質を発現できるプラスミドベクターを構築し、HeLa細胞で発現させたところ、GOLSYN蛋白質は細胞核の周辺に点状の局在を示した。ゴルジ体のマーカー蛋白質であるKDEL受容体と小胞体のマーカー蛋白質であるPDIに対する抗体を用いた二重染色を行ったところ、このGOLSYN蛋白質の点状のシグナルはKDEL受容体の染色像とほぼ一致した。微小管重合阻害剤であるノコダゾールで細胞を処理するとGOLSYN蛋白質は、細胞質全体に拡散した微小な点状の局在を示すようになった。これらのことからGOLSYN蛋白質はゴルジ体に局在していることが示唆された。次にGOLSYN蛋白質の細胞内局在を詳細に調べるために、GOLSYN蛋白質のN末端を特異的に認識する抗体を作製した。ショ糖密度勾配遠心法によってHeLa細胞の細胞小器官を分画し、GOLSYN蛋白質が回収される画分をウエスタンブロット法により調べたところ、GOLSYN蛋白質はゴルジ画分に回収されることが分かった。さらにGOLSYN蛋白質のゴルジ膜との結合を調べたところ、1% Triton X-100を含む溶液で処理した場合のみ、GOLSYN蛋白質が膜から遊離することが分かった。 【結論】GOLSYN蛋白質は膜貫通蛋白質としてゴルジ体に局在していることが推察された。
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