2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト遺伝性疾患関連領域から単離した機能未知遺伝子GOLSYNの生理機能の解析
Project/Area Number |
16790066
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
船越 英資 摂南大学, 薬学部, 助手 (70299030)
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Keywords | 遺伝子発現 / ゲノム / 脳・神経 / ヒト疾患 / 神経細胞 / 脈絡叢上衣細胞 |
Research Abstract |
ヒト遺伝性疾患に連鎖する8番染色体q23領域から単離したGOLSYN遺伝子は、コイルドコイル領域を持つゴルジ膜蛋白質をコードしている。平成17年度は脳におけるGOLSYN遺伝子の生理機能の解析に焦点を絞り、マウス相同遺伝子(m-Golsyn)の単離と脳組織における発現分布を調べ、以下の研究成果を得た。 1)m-Golsyn遺伝子の単離と脳における発現部位の解析 (1)マウス脳cDNAライブラリーからRACE法を用いて、完全長m-Golsyn cDNAの単離を行い、そのゲノム構造を決定した。m-Golsyn遺伝子は8個のエキソンからなり、マウス15番染色体B3.2領域内にテロメア側からセントロメア側に向かって約115kbにわたって存在していた。 (2)m-Golsyn遺伝子から転写開始点の違いと選択的スプライシングによって生成する3種の転写物が、組織特異的な発現様式を示すことを明らかにした。 (3)マウス成体脳を用いた免疫組織化学的解析によって、m-Golsyn蛋白質が、様々な脳領域の神経細胞に広く発現していること、また、脳脊髄液を産生・分泌する脈絡叢上衣細胞に強い発現が認められることを見出した。 (4)マウス大脳皮質を用いてショ糖密度勾配による細胞分画を行い、m-Golsyn蛋白質が小胞体を含む細胞内小器官に分布していることを明らかにした。 2)マウス成長過程におけるm-Golsyn蛋白質の発現変動 (1)成長過程のマウス脳を用いた解析によって、胎児から成体に至るまで大脳皮質の梨状葉、海馬の錐体細胞、小脳のプルキンエ細胞および脳室の脈絡叢上衣細胞にm-Golsyn蛋白質の強い発現が見られることを明らかにした。 (2)マウス成体脳を用いてin situ hybridizationを行い、大脳皮質の梨状葉、海馬の錐体細胞、小脳のプルキンエ細胞にm-Golsyn mRNAが豊富に存在していることを見出した。
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