2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト遺伝性疾患関連領域から単離した機能未知遺伝子GOLSYNの生理機能の解析
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16790066
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
船越 英資 摂南大学, 薬学部, 助手 (70299030)
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Keywords | 細胞内蛋白質輸送 / ゴルジ体 / 細胞内局在 / ヒト遺伝性疾患 / 上皮系細胞 / シンタキシン / トランスゴルジネットワーク / GDLSYN |
Research Abstract |
ヒト8番染色体q23領域から単離したGOLSYNは、コイルドコイル領域を持つ膜貫通蛋白質をコードしている。ラット海馬神経細胞においてGOLSYNは、キネシン重鎖とシナプス小胞を繋ぐリンカー分子として機能し、シナプス小胞の神経終末への輸送に関わることが示唆されている。一方、ヒト上皮系細胞ではGOLSYNは主にゴルジ体に存在している。平成18年度はGOLSYNのゴルジ体局在化機構について解析し、以下の研究成果を得た。 1)GOLSYN蛋白質の細胞内局在とゴルジ体への局在化に必要な領域の解析 (1)各ゴルジ嚢に局在する蛋白質とGOLSYNの二重染色を行い、GOLSYNのゴルジ嚢における発現分布を調べた。その結果、HeLa細胞では、GOLSYNはトランスゴルジネットワーク(TGN)に豊富に存在していることを明らかにした。 (2)種々の領域を欠失させた変異型および野生型GOLSYNの細胞内局在を解析し、GOLSYNのゴルジ体局在化にはC末端の疎水性領域とコイルドコイル領域を含むアミノ酸267-660番目の領域が必要であることを明らかにした。 2)GOLSYNと相互作用する分子の検索 (1)HA-syntaxin1-4およびFLAG-GOLSYNをコトランスフェクトしたHeLa細胞を用いてsyntaxinとGOLSYNの相互作用を調べ、GOLSYNがsyntaxin1,3および4と結合する可能性を示した。 (2)FLAG-GOLSYNを一過性に発現させたHeLa細胞を用いて、免疫沈降法によりGOLSYNと内在性syntaxinとの相互作用を調べた結果、GOLSYNが内在性syntaxin3および4と結合することを見出した。 以上の結果から、GOLSYNはヒト上皮系細胞では主にTGNに局在しており、syntaxin3,4などの膜蛋白質のTGNから細胞膜への輸送に関与している可能性が考えられた。
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