2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790070
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
小池 千恵子 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 研究員 (80342723)
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Keywords | 視細胞 / Crx / 転写制御 |
Research Abstract |
Crxはotd/Otxホメオボックス遺伝子ファミリーに属する転写因子であり、その発現は網膜光受容体細胞および松果体に限局している。Crxの変異マウスでは光受容体細胞の機能に関わる遺伝子の発現低下が認められ、実際に電気生理学的機能が完全に消失する。形態に関しては細胞体は形成されるものの、外節およびシナプス終末を全く形成できないことから、Crxが光受容体細胞分化を決定づける因子であると考えられている。また、ヒトCrxは失明を引き起こすいくつかの網膜疾患の原因であることが明らかとなっている。 Crxの発現は光受容体細胞の発生パターンと時空間的に一致することが明らかとなっている。申請者らはCrxのプロモーター解析より、Crxの光受容体細胞特異的発現を誘導する配列を特定した。この配列に変異があると、Crxの光受容体特異性は失われる。プロモーターアッセイから、この配列がサイレンサーである可能性が強く示唆され、Crx転写抑制因子がこのサイレンサーに結合することが、Crxの光受容体特異的発現を制御すると考えられる。 網膜特異的転写因子Crxの組織特異的発現に必須の転写抑制因子を同定する目的で、マウス網膜芽腫細胞の核抽出画分からCrxプロモーター中で同定されたサイレンサー配列を用いて結合タンパクを精製している途中である。また同サイレンサー配列を用いてYeast one-hybridを行い、得られたpositive cloneに関して解析を行っている。
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