2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗原ペプチドプロセシングにおける小胞体アミノペプチダーゼの作用メカニズムの解明
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16790072
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
服部 明 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 研究員 (50300893)
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Keywords | アミノペプチダーゼ / 胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ / 白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / オキシトシナーゼサブファミリー / MHCクラスI抗原ペプチド / 小胞体貯留機構 / 遺伝子発現調節機構 |
Research Abstract |
小胞体アミノペプチダーゼA-LAPの小胞体内貯留に必須な分子内領域の同定に成功した。そこで酵母Two-Hybrid法を用いて、本領域に結合しうるタンパク質の単離を試みた。その結果、新規タンパク質AERAの単離に成功した。AERAは221アミノ酸からなる小胞体可溶性タンパク質であり、そのC末端にはHDELという4アミノ酸からなるモチーフ配列が存在し、本モチーフは小胞体貯留シグナルとして機能することが明らかとなった。HDEL配列を欠失したAERAを過剰発現させた細胞においては、A-LAPの細胞外への分泌が観察されたことから、AERAはA-LAPの小胞体貯留に重要な役割を果たしていることが示唆された。またAERA以外にもA-LAP結合タンパク質がいくつか存在していることが示唆されたため、免疫沈降法による結合タンパク質の同定を目指し、FLAGタグを付加したA-LAPを恒常的に発現する細胞株の作製を試み、発現株を得た。 小胞体アミノペプチダーゼL-RAPの遺伝子発現調節機構について、ルシフェラーゼアッセイ系を用いた解析を行った。その結果、L-RAPの遺伝子の転写には、プロモーター領域-33〜-17が重要であることが明らかとなった。本領域には転写因子IRF結合配列が存在することから、定常状態ではL-RAP遺伝子発現にはIRF、特にIRF-1が関与していることが明らかとなった。一方、IFN-γによるL-RAP発現の亢進時には、IRF-2の機能が重要であることが明らかとなった。また、Tリンパ球などでは、Ets familyに属する転写因子PU.1がIRFと相乗的に機能してL-RAP遺伝子の転写を亢進することも明らかとなった。
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Research Products
(4 results)