2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗原ペプチドプロセシングにおける小胞体アミノペプチダーゼの作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
16790072
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
服部 明 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (50300893)
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Keywords | 小胞体アミノペプチダーゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / 白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ / 小胞体貯留機構 / MHCクラスI抗原ペプチド / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)の小胞体内腔における貯留メカニズムを明らかにするために、それを制御しうる結合タンパク質の探索を行なった。本目的のため、A-LAPのC末端にFLAGタグを付加したA-LAP-FLAGタンパク質を恒常的に発現するHeLaS3細胞を作製した。作製した細胞の抽出液から、抗FLAG抗体を用いてA-LAP-FLAGを免疫沈降し、銀染色によって溶出画分に存在するタンパク質を可視化した。その結果、A-LAP-FLAG以外にも7種の分子が共沈していることがわかった。これら共沈分子の具体的な同定およびそのA-LAPの小胞体貯留への関与の検討は今後の課題として残った。 前年度に引き続き、A-LAPの立体構造解明に向けたX線結晶構造解析に取り組んだ。これまでに解析可能な本酵素の結晶は得られていない。そこで、本酵素発現後の精製法および結晶化条件の再検討を行なった。その結果、バキュロウイルスを感染させたSf9細胞の培養液(3L)から、ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー、キレートアフィニティーカラムクロマトグラフィー、疎水性カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーの順で精製を行なうことで、非常に高純度のA-LAPが十分量(〜10mg)得られることを見出した。現在、この高純度酵素標品を用い、結晶化条件の検討を進めている。また、結合糖を低下させたA-LAPや小胞体アミノペプチダーゼに特異な領域を欠失させたもの、前年度までの解析にて同定した結合タンパク質であるSDF2L1とA-LAPの複合体を用いて、結晶化を試みている。
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Research Products
(6 results)