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2005 Fiscal Year Annual Research Report

シンドビスウィルスのゲノム複製・転写に関わる脂質の探策とその機能に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16790077
Research InstitutionNational Institute of Infectious Diseases

Principal Investigator

斉藤 恭子  国立感染症研究所, 細胞化学部, 研究員 (70235034)

Keywordsウィルス / 脂質 / 複製 / 転写 / ホスファチジルセリン / シンドビスウィルス
Research Abstract

プラス鎖RNAウィルスのレプリカーゼによるRNA合成は、感染特異的に宿主細胞内に形成される膜の上で起こる。しかし、この膜形成の仕組みや膜脂質の役割、並びにRNA合成が膜上で行われる意義についてはよくわかっていない。本研究では、シンドビスウィルス(以下SINV)のゲノム複製と転写に関わる脂質の候補を探索し、その機能についての手がかりを得ることを目的とする。
私はこれまでにCHO細胞の膜脂質ホスファチジルセリン(以下PS)合成変異株とレポーター遺伝子を組み込んだSINVレプリコンを利用して、SINVレプリカーゼによるレポーター遺伝子発現が、細胞のPS含量の低下により阻害されることを見いだした。しかし、レポーターmRNA合成には阻害が認められなかったことから、レプリカーゼによりRNAが合成された後、翻訳されるまでの過程にPSが必要であることが示唆された。今年度はこの現象が本来のゲノムの遺伝子発現でも見られるかを調べるために、PS合成変異株にSINVを感染させ、ウィルスによるRNA合成、および構造蛋白質であるキャプシド蛋白質の産生に対するPS含量低下の影響を調べた。その結果、レプリコンによる遺伝子発現とは異なり、ウイルスRNA合成はPS含量の低下によって約60%に低下した。また、PS含量低下細胞ではキャプシド蛋白質の産生も約60%に低下していた。従って、キャプシド蛋白質の産生量の低下はRNA合成の低下によるものと考えられ、レプリコンによる遺伝子発現の結果とは一致しなかった。現在、感染の多重度を変えて、レプリコンでの結果と同様の結果が得られるか調べている。また、感染時にはPS含量低下によりウィルスRNA合成が阻害されることから、RNA合成あるいはそれ以前の、レプリコンの系では起こらない複製過程に、PSが関与することが示唆された。

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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